
【年齢別】子猫・成猫・シニアで変えるべきはコレ! ライフステージ別フード選びの正解
2025年11月3日
📑目次
人間が赤ちゃんの時、大人と同じ食事をしないように、猫も年齢(ライフステージ)によって必要な栄養バランスが大きく異なります。
「うちはずっとこのフードだから安心」 その安心感が、もしかしたら愛猫の健康を損ねているかもしれません。 「子猫(〜1歳)」「成猫(1〜7歳)」「シニア(7歳〜)」の3つのステージに分けて、それぞれ「何を変えるべきか」を解説します。
■ 1. 子猫期(〜1歳):人生で最も栄養が必要な時期
子猫は、人間の年齢に換算すると1年間で約18歳になるほど、爆発的なスピードで成長します。骨、筋肉、内臓、脳…すべてが作られるこの時期は、**高タンパク・高脂質(ハイカロリー)**な食事が不可欠です。
- 選ぶべきフード: 必ず「子猫用(キトン)」または「全年齢対応(オールライフステージ)」と記載された総合栄養食を選びます。
- 栄養素の目安(乾物量):
- タンパク質: 30%以上(成猫の基準26%より高い)
- 脂質: 9%以上(基準は成猫と同じですが、実際は成猫用より高く(20%前後)設定されているものがほとんど)
- カルシウム・リン: 骨の成長のため、成猫より多く必要です。
- 注意点: 成猫用のフードを与えると、成長に必要なカロリーやタンパク質が不足し、体が小さくなったり、病気にかかりやすくなったりします。絶対に「子猫用」を選んでください。
■ 2. 成猫期(1歳〜7歳):太らせない「維持」の時期
1歳を過ぎたら、子猫用フードから「成猫用(アダルト)」に切り替えます。 この時期の最大のテーマは「適正体重の維持」です。特に避妊・去勢手術後は、ホルモンバランスの変化で代謝が落ち、太りやすくなります。
- 選ぶべきフード: 「成猫用(アダルト)」「1歳以上」 または「避妊・去勢手術後用」
- 栄養素の目安(乾物量):
- タンパク質: 26%以上(筋肉維持のための基準)
- 脂質: 9%以上(基準値)
- 注意点: 「太ってきたから」と食事の“量”だけを減らすのはNGです。タンパク質やビタミンなど、必須栄養素まで不足してしまいます。 肥満が気になる場合は、「低脂質(乾物量15%以下)」「低カロリー」と設計されたフードを選び、量は適切に与えるのが正解です。
■ 3. シニア期(7歳〜):見えない「衰え」に備える時期
7歳を過ぎると、見た目は元気でも、体内では少しずつ変化が始まります。 特に「腎臓機能の低下」「筋肉量の減少」「消化能力の低下」に配慮したフード選びが必要です。
- 選ぶべきフード: 「7歳以上」「11歳以上」などのシニア用。
- シニア期の論点①:タンパク質
- 健康なシニア猫: 筋肉が落ちるのを防ぐため、「良質な高タンパク」が必要です。「シニア=低タンパク」は古い考え方です。
- 腎臓病と診断された猫: この場合のみ、タンパク質と「リン」を制限した療法食が必要です。
- シニア期の論点②:リン 腎臓への負担を考慮し、シニア用フードは「リン」の含有量が控えめに調整されているものを選ぶのが賢明です。
- シニア期の論点③:消化 消化能力が落ちるため、消化の良い原材料を使っているか、脂質が過剰でないか(胃もたれ防止)も重要です。
■ 「切り替え」というハードル
「子猫用から成猫用に変えたら、食べなくなった」 「シニア用を試したいけど、今のフードで満足しているし…」
ライフステージに合わせたフード選びの重要性は分かっていても、猫は非常に保守的な動物。フードの切り替えを嫌がる子は少なくありません。
しかし、そのハードルを乗り越えなければ、10歳の子が子猫用ハイカロリーフードを食べ続けて肥満になったり、逆に成長期の子猫が栄養不足になったりしてしまいます。
結論:フードは「一度選んだら終わり」ではなく、愛猫の成長と共に「更新」し続けるもの。
子猫期には成長を、成猫期には維持を、シニア期には衰えのケアを。その時々で最適な栄養バランスは全く異なります。
特にシニア期は、「筋肉維持のための高タンパク」と「腎臓ケアのための低リン」という、一見相反するような高度なケアが求められるようになります。
「なんとなくシニア用に切り替える」のは、もう終わりにしましょう。
当サイトのデータベースでは、「シニア用」といった大雑把な分類だけでなく、「リンの含有量」や「タンパク質量」で詳細に絞り込むことができます。 愛猫のライフステージに本気で向き合うための「次のフード」を、データに基づいて選びましょう。
