【原材料の闇?】「〇〇ミール」は危険?「グレインフリー」は必須? 原材料表示のウソ・ホント
猫の栄養学

【原材料の闇?】「〇〇ミール」は危険?「グレインフリー」は必須? 原材料表示のウソ・ホント

2025年11月3日

キャットフードの裏面を見て、不安になった経験はありませんか? 「チキンミールって何? 危険なの?」 「コーン、小麦…穀物がたくさん入ってるけど大丈夫?」 「グレインフリー(穀物不使用)って、本当に良いことだらけ?」

インターネット上には様々な情報が溢れ、何が本当か分からなくなってしまいます。 この記事では、飼い主さまが特に迷いやすい「原材料」に関する疑問について、フードアドバイザーが冷静に解説します。

■ 誤解だらけ?「〇〇ミール」「〇〇副産物」の正体

原材料表示で最も誤解され、不安視されがちなのが「ミール」や「副産物」という言葉です。

  • チキンミール、フィッシュミール これは「乾燥させて粉末状にしたもの」という意味です。 例えば「チキン(生肉)」は水分を約70%含んでいますが、「チキンミール」は水分を抜いてタンパク質を凝縮させた状態です。 原材料: チキンミール, とうもろこし, ... この場合、水分を抜いた状態でも「チキンミール」が1番目に来ているため、非常に高タンパクなフードである可能性が高いです。 「ミール=危険」は誤解です。むしろ効率的なタンパク源です。
  • 家禽副産物(チキンバイプロダクト) これは「内臓(肝臓、心臓、肺など)」や「トサカ」など、いわゆる「精肉(私たちが食べる胸肉やモモ肉)」以外の部分を指します。 これも「危険」とは限りません。 ライオンが獲物を仕留めた時、最初に食べるのは栄養豊富な内臓です。猫にとっても内臓は重要なビタミン・ミネラルの供給源です。 問題は「品質の不透明さ」です。 良質な内臓だけを使っているメーカーもあれば、羽やクチバシなど消化できない部位(栄養価が低い)まで含んでいる可能性もゼロではないため、不安視されがちなのです。 これを避けたい場合は、「チキンレバー」「ビーフハート」のように部位が特定して書かれているフードを選ぶと安心です。

■ 「グレインフリー(穀物不使用)」は万能か?

最近のプレミアムフードの主流である「グレインフリー」。 猫は穀物の消化が苦手なため、穀物(コーン、小麦、米)の代わりに豆類(えんどう豆)やイモ類(じゃがいも)を使用して作られます。

  • メリット:
    • 猫本来の食性に近い。
    • 穀物アレルギーの猫でも食べられる。
    • 炭水化物の総量を抑えられる傾向がある(高タンパクになりやすい)。
  • デメリット(注意点):
    • 価格が高くなる: 穀物より豆・イモ類の方が高コストです。
    • アレルギーの対象が変わるだけ: 「穀物アレルギー」は「豆アレルギー」に変わる可能性もあります。
    • 便秘・下痢: 豆類は食物繊維が豊富すぎるため、猫によっては便が緩くなったり、逆に硬くなったりすることがあります。

グレインフリーは素晴らしい選択肢の一つですが、「グレインフリー=絶対安全」と盲信するのではなく、愛猫の体質(特に便の状態)に合うかを見極める必要があります。

■ 最も避けたい「人工添加物」

原材料表示で、本当に注意して見てほしいのは「人工添加物(着色料、香料、一部の保存料)」です。

  • 赤色〇号、黄色〇号(着色料): 猫は色で食べ物を判断しません。これは飼い主(人間)に美味しそうに見せるためだけのものです。猫には不要であり、アレルギーの原因になる可能性も指摘されています。
  • 〇〇フレーバー(香料): 良質な肉や魚を使っていれば、本来香料は不要なはずです。
  • BHA, BHT, エトキシキン(酸化防止剤): これらは強力な化学合成の酸化防止剤で、発がん性などが疑われています。(現在、ペットフードでの使用は激減しています) 安全な酸化防止剤は「ミックストコフェロール(ビタミンE)」「ローズマリー抽出物」といった天然由来のものです。

■ 「探しにくい情報」を、探しやすく

「グレインフリーのフードだけ見たい」 「チキン(鶏肉)を使っていないフードを探したい」 「着色料が使われていないフードで、タンパク質が40%以上のものは?」

こんな“こだわり検索”、既存のECサイトでやろうとすると、何十ページもスクロールして、一つひとつの原材料表示を指で確認していくしかありません。

結論:「ミール=悪」の誤解を捨て、本当に避けるべき「添加物」を見極める。

「ミール」や「副産物」という言葉のイメージに惑わされてはいけません。品質はメーカーによりますが、それ自体は貴重な栄養源です。

それよりも、猫にとって不要な「人工着色料」や「香料」、あるいは愛猫の体質に合わない「穀物」や「特定のタンパク源」を避けることの方が、遥かに重要です。

「グレインフリーで、チキン不使用で、着色料も使っていないフード」

そんな複雑な条件でフードを探すのは、これまでは不可能に近い作業でした。しかし、当サイトのデータベースは、その「こだわり検索」を実現するために作られています。 原材料のウソ・ホントを理解した今、あなたの目で、愛猫に本当に必要なフードを選び抜いてください。