
【猫の宿命】シニア期に忍び寄る「腎臓病」。今すぐ始めるべき「リン」と「タンパク質」の管理術
2025年11月15日
📑目次
猫と暮らす飼い主さまが、避けては通れない病気。それが「慢性腎臓病(CKD)」です。 7歳を過ぎた頃からリスクは高まり、15歳以上の猫の3匹に1匹、あるいはそれ以上が発症すると言われています。
腎臓は一度機能が失われると、二度と元に戻りません。 だからこそ、腎臓病は「**発症してから」ではなく、「発症する前から(特にシニア期に入ったら)」**いかに進行を遅らせるか、という「管理」がすべてです。
そして、その管理の最大の柱が、毎日食べる「食事」、特に「リン」と「タンパク質」のコントロールです。
■ なぜ「リン」と「タンパク質」が重要なのか?
腎臓は、体内の老廃物をろ過して尿として排泄する「フィルター」の役割をしています。
1. リン (P) リンは骨や歯を作る必須ミネラルですが、過剰なリンは腎臓(フィルター)に大きな負担をかけ、機能低下を早める最大の原因とされています。 健康な猫でも、シニア期(7歳〜)に入ったら、過剰なリン摂取を避ける(=低リンのフードを選ぶ)ことが、腎臓ケアの第一歩です。
2. タンパク質 (Protein) タンパク質が体内で利用されると、「BUN(尿素窒素)」という老廃物が出ます。腎臓機能が低下すると、この老廃物をろ過しきれず、体内に蓄積して「尿毒症」を引き起こします。 そのため、腎臓病と診断された場合は、タンパク質の摂取量を制限し、老廃物(BUN)の発生を抑える必要があります。
■ 非常に難しい「タンパク質」のジレンマ
ここで、シニア猫のフード選びは最大のジレンマに直面します。
- ジレンマ①: シニア猫は筋肉が落ちやすいため、筋肉を維持するために「良質な高タンパク」が必要です。
たん白質については過去記事を参照:https://neko-onayami.jp/blogs/9tjz3gphk - ジレンマ②: しかし、腎臓病を発症すると「低タンパク」にして腎臓を守る必要があります。
この矛盾する要求に、どう応えれば良いのでしょうか?
■ 答えは「ステージ」と「血液検査データ」にある
このジレンマの答えは、愛猫の「ステージ」によって異なります。
- ステージ1:健康なシニア猫(7歳〜)
- 対策: 「良質なタンパク質」はしっかり摂りつつ、「低リン」のフードを選ぶ。
- 目的: 筋肉を維持しつつ、腎臓への負担だけを先回りして減らします。
- ステージ2:腎臓病と「診断」された猫
- 対策: 獣医師の指示のもと、「低リン」かつ「低タンパク」の療法食に切り替える。
- 目的: 腎臓の負担(リン、BUN)を徹底的に減らし、病気の進行を遅らせます。
つまり、健康なうちからタンパク質を過度に制限する必要はありませんが、「リン」だけは早めにケアを始めるべき、ということです。
■ 結論:血液検査データを「読み解く」専門家が必要。
「うちの子(10歳)は、まだ高タンパクで良いの?」 「血液検査でBUNとCRE(クレアチニン)の数値が少し高いけど、まだ療法食じゃなくて良い?」 「低リンって、具体的に何%以下のフードを探せばいいの?」
この極めて専門的な判断を、飼い主さまが一人で行うのは不可能です。 そして、この「リン」や「タンパク質」の含有量は、フードのパッケージに表示義務がないため、比較すること自体が困難です。
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■ 結論:面倒な比較は「データベース」に任せましょう
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